返す踵(きびす)の音 響いて 冷たい空気へ滲み込む 最高の一瞬掴むまで ここに戻ることは無いと 背中越しに笑いながら出てゆくのを 縋るように追う指先 虚しく畳まれる気配感じてる 絞り出す命の灯(ともしび)は 輝きと謂うには儚い それでもまだ目を逸らせない 己という若さからは I'm a wanderer やがて精魂も尽き果て 大地に膝をつく日も来よう せめてあとひと度という未練も 残したりはしない いつか誰もが同じ風の中 眠れる場所へとたどり着く その胸に抱え往(ゆ)くのは 鈍色の重り 精彩の誇り 深き未知 魂の抜け殻が 砂塵に舞うのはやるせない だからこそ今 無視はできない 己の中 揺さぶる声 翔び立つなら羽の先まで 空気の循環逃さない 見果てぬ夢 昂る胸 哀しいほど一途な瞳よ In the wilderness 時代の見えざる手が包む 外側への確かな意識を 灼けた睫(まつげ)の奥に秘め 彼方への理想を静かに燃やす 絞り出す命の灯は 輝きと謂うには儚い それでもまだ進まざるをえない 宿命と呼ぶ 哀れ男の性(さが) 翔び立つ先に待つのは 身を裂く岩肌か 絶望か 箱を閉じたままでは分からない そこに何が残るのかさえ 渦巻く熱望の悲音を 抱え奮い立ち風を待つ 見果てぬ夢 昂る胸 希望(のぞみ)に潤う 一途な瞳よ I'm a wanderer in the wilderness
