ねえ、聞こえていますか この声が。 ねえ、今何か話していますか。 生憎私の方は、 貴方の声聴こえないみたいです、 ごめんね。 本当はね、 貴方のその優しい声が 聞こえなくてちょっと 安心してるの。 だって聞こえてしまったら、 私泣いてしまってこのまま この詩の続きを 歌い切れないから。 明日が来るなら、 明後日を貴方に あげられやしないか。 そのまた明日は私が生きて、 そう交代ばんこで 生きれやしないか。 貴方はそこで息をして、 貴方はそこで詩を書いて、 貴方はそれを歌って、 今を生きるはずだったのに。 綺麗な花を摘むように 貴方も誰かに摘まれたのならば、 別に綺麗に生きる意味なんて ないじゃないか。 私はここで息をして、 私はここで歌を書いて、 貴方に届くようにと この詩を歌っている。 貴方じゃなくて私が そこに逝けたらよかったのに。 貴方がいないこの世界で、 私は何を目指して 何になって 何を描けばいいんだろう。 ねえ、聞こえていますか この声が。 ねえ、今何か話していますか。 もうじき私の方は 貴方のとこへいけるみたいです、 待っててね。