ぽつりと雨が降って、 君は咲かない花に傘を差していた。 飲み込んだ言葉なんて 喉に支えて出てこないよ。 優しさに惑ってた。 いつだって怖くなって 僕は竦まってばかりだった。 それなのに、 「そんなの悲しいよ」って君は 汚い僕の手だって繋いでいた。 本当は君は知っていたんだね。 いつかは忘れてしまうこと。 ほら閉じた目蓋。 続くかくれんぼ。 まだ見つけてくれないの。 離れないで。 君を通せんぼ。ごめんね。 かごめかごめ 後ろの正面がまだ 誰かもわからずに。 離れ離れ。 影は遠のいて、ゆらゆら。 絡まった指先で咲かない花を 手折って、 満たない感情を濁してみたけれど、 擦り減った靴のせいで、 ぬかるんだ泥のせいで、 僕たちは今でも転んでしまうよ。 価値観の見た目だって、 間違えや答えだって、 ありふれた言葉じゃ 表せないけれど、 寄り添っていたいだけ。 分け合っていたいだけ。 雨の降る音さえ 聞こえもしないまま。 その時計は誰のためなの。 鼓動のペース、追い越す秒針と 繰り返す後悔がフレームを 埋めたんだ。 思い出は手洗いで、 汚れを落とそうか。 ほら閉じた目蓋。 続くかくれんぼ。 まだ見つけてくれないの。 離れないで。君を通せんぼ。 ごめんね。 かごめかごめ 後ろの正面だあれ。 振り向けば僕らは離れ離れ。 回る風車、ぐるぐる。 俯いてしまったって、 ぶつかってしまったって、 満たない感情を抱えて歩いてる。 擦りむいた傷をずっと、 大切な場所をずっと、 いつまでも 忘れてしまわないように。 価値観の見た目だって、 間違えや答えだって、 ありふれた言葉じゃ 表せないけれど、 寄り添っていたいだけ。 分け合っていたいだけ。 雨の降る音なら、もう聞こえない。 傘は差さないで君を纏う。 寂しさも全部隠す程、 きらきら、弾けて 跳ねた粒がとても綺麗で。