通学路に季節の花 お気に入りの頁に挟んで 仕舞いまで読んでたらいつしか 『ひとつ ふたつ みっつ みすてりゐ』 雨もあがりおさげも跳ねた 『いろは はにほ ほへと』 謎々しよう 探究しよう 「頁が――」 迷い風ひゅうと運んでった 「はらひら舞う青春は睫毛に残った泪。 走るうち乾いて消える。 名残りもなく。それでいい」 背伸びして選んだ本が 『よっつ いつつ むっつ みすてりゐ』 いつかきみを大人にする 『はにほ ほへと いろは』 洗朱(あらいしゅ)の空 背を追いかけ 帰りましょう 物語の海へ 「だから書くことやめないで。 いつまでだって解いてあげるから、 探偵であり続けるから。きっと、ずっと」 『云うな 云うな みなまで云うな』 「花舞う青春は睫毛に残った泪。 走るうち乾いて消える。名残りもなく」 「ぜったい書くことやめないで。 いつまでだって解いてあげるから、 探偵であり続けるから。ずっとふたりがけ」