私クローンだった 女王陛下の身代わり 影武者 だった 金銀細工のお城の中の夢 都花盛りで 当代きってのまばゆい春の歌 その名の通り 絢爛豪華なHer Majesty 贅沢ならお手の物 シャンシャンシャンと 宝石の雨が降る ワルツの調べに乗って 船が夜ごと去りゆく恋を浮かべ 荒れた海の上を渡る 丘を越えて駆ける馬車の 飾りつきの洒落た窓に映る 時間は華やいで流れてゆくわ わたしクローンだった 女王陛下の身代わり 影武者だった 暮らしはちょっと退屈だった 時代の生贄だった 臣民臣下は傅いて 誰ぞ知る 誰ぞ知る 季節がどんなに巡っても ああ わたしは女王陛下じゃない 空中にわかに軒並みざわめいて パニックまがいのダンスで パーティードレス 長い裾踏んづける Oops, I'm Sorry 集中砲火は止まない雨のよう 街は煙にまみれて 民衆蜂起よ 突きつけられた 革命の剣の先 Oh my God そんなまさかのクーデター こんなことってないわ 濡れ衣なの そうよ存外怖くはないわ 逃げ遅れただけの 人違いよ 事件は絡まってねじれてゆくわ 偽のクイーンだった 女王陛下のレプリカ イミテーションのわたしが今夜 牽かれてく かわいそうに 誰か気付いて 褪せたブラウンの瞳が翳っていた 午後の気怠い空気 クラウンを髪から外して わたしはお縄についた 断頭台への道すがら ひた走る ひた走る 女王陛下は笑ってた そう わたしは女王陛下じゃない