目がくらむほどの 駅の人ごみをしり目に 右に左にかき分けて 荷物をもった若い奴が 負け犬みたいに ふるさと行きの汽車に乗る 誰が迷っても お巡りさんもかまっちゃくれぬ 君は何にも 負けたんじゃないよ 歩くのがとっても遅い奴は 食いものにされるように はじめからできてる町さ ドブ川に真赤なバラを 落としたようなここが吹き溜まり 新宿さ 三年前の九月のある日僕も 胸ふくらませ ここへやって来た 片道分の切符を握りしめ ギターケースに安っぽい夢をつめ 若さだけを頼りに汽車に飛び乗った いつ終るともない日々に いつだって人は 命をすり減らして行く 自分の姿をみる ネオンの海に 涙を刻むようなここが吹き溜まり 新宿さ <♪> 残してきた恋人の手紙 僕をあたためてくれる 町の生活はどんなか教えてと とってもいいとつづる僕に 勝つか負けるか それまでは戻れないと知る 暗いスポットライトの中に ふるさとの町あかりをみる この町に食いものに されないようにと 力の限り歌い始める ドブ川に真赤なバラを ちらしたようなここが吹き溜まり 新宿さ