ラララ 僕のご主人は歌唄い 誇らしげな顔して言葉を吐く くだらないと人は言う ありふれた歌 まだ僕らが幸せだった頃の話 <♪> 一日中机と睨めっこして 頭の中の音を描き殴る 楽しい事も悲しい事も嫌な事も ごちゃ混ぜに五線紙を塗り潰す 歌の中なら何処へでも行けた 何にでもなれた 例えば月の裏側とか 夢の終わりとか メロディを奏でてく まだ見ぬ誰かの為に 届かないと知っていても さぁ 声を枯らして唄うのさ 寂しさも温もりも 皆忘れて でも朝になったら元通り ホラ 今日もまた夜が明けていく <♪> ラララ 僕のご主人は歌唄い 少しづつ唄うのが減ってきて たまに思い出したように僕を抱え 満足げな顔して言葉を吐く もう唄うことが何にもないと 泣いていた夜も あの子が褒めてくれたんだと 喜んだ夜も 叶うならもう一度 あの頃に戻って くだらない歌を唄いたい ねぇ 声を枯らして唄うこと それさえも少しだけ 疲れてしまった ぎゅっと閉じた瞼 その奥で 堪えきれず 涙落ちる <♪> あなたが望んだことならば 諸手を上げて祝いましょう 新たな門出に乾杯を そこに僕が居なくとも ところでご主人 何を思ったか いきなり立ち上がり 「まだまだ大事なことを唄っていな い」と 僕を手にとって ラララ 僕のご主人は歌唄い 誇らしげな顔してケースを開けた さぁ声を枯らして唄うのさ 寂しさも温もりも 皆忘れて そして朝になったら新しい 毎日がホラ 続いてゆく 続いてゆく