Track byFellsius
針の跡が まだ残る白い手で 柔らかな 夜に溶ける 言葉が消えた街に杖の音 目を開いて 留めないで 記憶 化学の香り 車輪の鉄に陽が差す 痩せた手で漕いだ 終わらない黄昏の その刹那に 檻に映る優しい影 夜が わたしを救った 車輪を壊した 全てを抱きしめた 美しい黒に染めた 目を開いて そしてふと今 わたしを包む夜を見る やがて光に 攫われるまでのひと時 弱りきってなお微笑む ただひとりきりの夜を