白い蛇はある日小さなヨットを見つけた老夫婦が2人お互いを思いやりながら 風を受けて漂っていた 白い蛇は彼らがどこに行こうとしてるかなんて一秒たりとも考えなかった 老夫婦もどこに行こうなんて考えていなかった ただ浮かんでいるだけでよかった ある日灯台の管理人が上まで上がってきた 彼は白い蛇に驚いて階段を転げ落ちて死んだ 白い蛇はとても悲しかった その日から白い蛇の目は赤くなった でも白い蛇は灯台が好きだった だからそこに残ることにした そして毎日 光に包まれたり 風に吹かれたり 寒さに凍えたり 雨に濡れたりして 一生そこに住み続けた ―おしまい