うだるほどに日が滲む 雲を見失った正午 あの夏へ引く波を背に 君を待っている 追いかけた自転車 どこまでも漕ぎたかった 抗うことの証明 そんなんじゃない 東に伸びる僕の影はまだ 褪せない交差点で 息を潜めた 夏が終わることも 叶わない夢も 消えそうになって気づいた もう戻れはしないんだろう 君がいない空も晴れてしまったよ きれいな きれいな 空だった 翼を焼いて飛んでゆく ウミネコが風を呼ぶ 灰色に咲く花を摘み 君を待っている どれくらい遠くへ行ったの? 今は追いつけなんてしないだろう どうしようもなくただ重ねたが 弱さが 楔のように僕に刺さっていた 朝を迎えることも忘れたのに 君の手を引いて走った夜 零れ落ちた涙が 全て解っていた 僕はそれを 解っていた うだるほどに日が滲む 雲を見失った正午 君の影を連れ去るように 昇る陽炎 夏が終わることも 叶わない夢も 消えそうになって気づいた もう戻れはしないんだろう 君がいない空も晴れてしまうけど きれいな きれいな 空だった きれいな きれいな 夏だった