月は東から昇り はるかに海を照らす はるかな島々を照らして やがて昇る月が私を照らす 月よ 月よ なにゆえに さほどに悲しく美しい 月よ 月よ その美しさ 私もいつかは その国に生まれて この星を あの星を そして海を照らそう 月よ そなたが舟を飛ばし 私を迎えるものなら 私はその舟に乗って浜辺を漕ぎだし 東へと行きたい やがて舟は海を離れて空を翔ける 天翔ける舟となる 天翔ける舟は 速度を増して 月に向かって飛んでゆく 月よ 私を迎えてください あなたの姿に私は涙する 涙する 涙する 月よ いつかは私にも 恋する人がきっと現われて あの浜辺に漕ぎ寄り 私に愛の歌を捧げてくれるでしょう 私はその日を待っています そうです 私が十八になるころに その人はかならず月夜に舟を漕いで 私を連れ出し 月の国へと連れて帰る そうです 夢みる 私の夢みる気持ちはとまらない この胸の鼓動はとまらない とまらない