彼は見てきたことを 震えた唇からこぼした かすれた声で 喉元が凍っている 「還ろうとして 誰かに彷徨う 声が出ない ここは氷の世界」 「失ったものを 弔うように 体も放りだして 塞いでいた」 「底のない底に 沈んでいった やさしく見えたものは 死神の瞳」 足元が吃っている 「還ろうとして 波間に漂う 声がしない ここは氷の世界」 「探そうとして 位置さへ失う もう もどれない ここは氷の世界」 氷の世界 いつからか 追い越してる 君は今 何処を向いてる 「還ろうとして みんなで彷徨う それが何故なのか 分かろうともしてない」 「覚めようとして 誰かが囁く 『声が痛い』 ここは氷の世界」 氷の世界...