拝啓、僕のことなんて ちっとも知らない遠い誰かへ。 あなたの生きてる世界なら、 この僕の言葉が 聞こえるでしょうか。 別にわかって もらいたいわけではないけど それでもここなら 誰かに僕の姿が見えると思うから。 居場所なんて、どこにもないこと 目を合わせては、いけないこと 痛くても、痛いと言わないこと 親や先生には、話さないこと 後ろから指を、刺されること それに、気づかないふりをすること 教科書のページが、減っていくこと 大切な、何かと共に 言葉がぼろぼろ、零れていくこと 喉の奥につっかえて、 出てこないこと それを笑われることと 明日が来るのが怖いこと それでも、頑張っていたこと 精一杯、笑おうとしたこと でももう、 生きていけないと思ったこと もう、 生きてちゃいけないと思ったこと 先生、どうして人は 誰かのことを嫌いになったり 大切なものがいらなくなったり どうしようもなく息が詰まったり ねぇ先生、どうして 僕はただこうやって 生きているだけで、 誰かに笑い飛ばされたり ねぇ、どうして。 拝啓、 本当に辛くなってしまったあなたへ 名前も顔も知らない 私の言葉は届くでしょうか。 別に、 何もかも、 わかったわけではないけれど それでも、 少しだけ。 あなたは、 決してひとりではないこと 誰かに望まれて、産まれてきたこと 待っている 未来があるだなんて、 安っぽい言葉だと思うでしょうか。 強がる必要なんてどこにもないこと 大声で泣いたって、構わないこと ここまで無理して走ってきたなら、 少しぐらい休んだっていいこと 逃げる事が、間違いではないこと 大切な何かは、 少しも減っていないこと あなたが、ここにいてもいいこと ただ、生きていて欲しいこと。 先生、どうして人は 誰かのことを好きになったり 遠く離れしまっても、 ずっと思っていられたり ねぇ先生、いつかは 僕もこうして今を生きていくなかで 誰かに優しくなれるかな ねぇ。 ♪ 拝啓、 僕のことなんて ちっとも知らない遠い誰かへ あなたの生きてる世界なら、 この僕の言葉が聞こえるでしょうか 別に、わかってもらい たいわけではないけど それでもここなら 誰かに僕の姿が見えると思うから。