昼と夜の隙間で 時計の針は結ばれ 止まって欲しくない時間が やけに長くなった 君を一番近くに感じられた時間を 今は一人なぞる オレンジの空 つけすぎた香水の匂いから 君の緊張と照れくささが伝わり いつもよりこだわった僕の髪型は きっと同じように君にも 伝わってたろうな 最初はお互い照れくさくて 天気の話なんかしちゃって 全然知識もないくせに語って 人が多い事と今日は暑いってことを 会話の途中途中に挟んで凌いだ 瞬き一回に一日が進むように 僕たちの未来は加速して進んだ それを止める求める君の感情に 少しも追いついてない俺は 未熟で... 「ごめんな」 I remember you. 二人の好きな匂いを探して歩いた 君の好きな景色を僕も好きになった I remember you. いつしか 僕一人だけの景色になってた 少し錆びた電柱 君の声 何度悔やんでも 君のことがまだ離れなくて 今は一人歩いてる 君との記憶の中 「今の僕なら、幸せに出来るかな」 冬の寒い日 毛布にくるまり 昨日飲みかけてやめた コーヒーを飲んだ 天井の模様なんか興味もないのに ずっと眺めて くだらない話を続けた 「こっちおいで」 重なる体温 言葉は消えて 君は腕の中でまた眠る 少し変なその寝顔をみて 君が起きないように 声を抑えて笑った 無理して予約したレストラン 君は僕に気を遣って 安いメニューばっかり 「美味しそう」って言っていたね 帰り道情けなくて落ち込む僕の横で 「ほんとに幸せ」って 笑ってくれたんだ 今なら何でも買えるし どこでも連れていけるけど それじゃ遅すぎて 小説のあとがきの言い訳 ずっと二人物語の中に いるはずだったから 悔しくて悔しくてしょうがなかった I remember you. ダサい僕の服を 一緒に選んでくれたっけ 着るたびに思い出す 君との会話 I remember you. 今はあの時より 少しはマシになったかな もう一度いま 君に会いたい 何度悔やんでも 君のことがまだ離れなくて 今は一人歩いてる 君との記憶の中 「今の僕なら、幸せに出来るかな」 君は二歩三歩先から二人をみて 僕は立ち止まり君を見ていた 少し長い瞬きをしていたんだ 目を開けたら 君の背中は遠くなっていた 時計の針はほどかれ オレンジ色が君を連れ去る 二人過ごした街が紫に変わるころ 滲んでいた視界がはっきりしてきた 僕は今一人歩きだす 一人歩きだす