夜明けの街を見下ろすふたり ――東京に、朝が来る いつか見た風景と コトコトなく薬缶 「…風見鶏、寒くないの?」群青色の部屋の外 東京の街はふたりのもの 夜と朝のあいだだけ グンナイベイビー、もう眠ろう 動きだす街の子守歌で 窓辺に立って彼女が外の寒さを確かめます ストーブにかけた薬缶がキン、キンと音をたて 一番列車 もう間もなく 遠くで車のタイヤが道をはぜる そろそろ朝が来ますよ…! 東京の街に 川のむこうにも 中央線にも 青山にも 環七にも 若者たちにも おはよう東京 冬の朝だよ おはよう おはよう