ハルを追いかけて 眠らずに駆けた 真っ黒な闇夜の向こうを ただ見てみたかったんだ 君と最後にした 有触れた会話の 一言一句が、今 今、空に舞い散っている ゆらゆらゆら ゆらゆらゆらゆら 色褪せたキャンバスのスニーカー 見下ろして 白線の上 バランスをとって歩いた ナイロンの弾いた 雫が跳ねた Falling down falling down 午前二時を回って 赤信号見上げた 予報外れの雨の理想郷 見えないように 目を覆って 聞こえないように 耳を塞いだ 何回も何回も何回も 僕は書き殴ったまま 正しいものを疑って 心の裏側まで覗いて 本当の本当の 声に気がつけたなら 答えは要らない ハルを追いかけて 遮二無二走った 真っ白な心の向こうを ただ見てみたかったんだ 君と最後にした 有触れた会話の 一言一句が、今 今、空に舞い散っている Falling down falling down… Falling down falling down 午前四時を回って 黙る空を見上げた 季節外れの雪の理想郷 消えないように 手で覆って 放さないように 抱きしめて 何回も何回も何回も 僕は間違えながら 正しいものを疑って 心の裏側まで覗いて 今、本当の本当の 声に気がつけたから 見えない想いは 右手に 聞こえない言葉は 左手に こんな簡単なことを僕は 今になって知って ゆらゆらと宙を漂った 眩い欠片を掴んで 本当は本当は ハルが僕を追いかけていたのかもな