「またね」と浮かぶ言葉に 悴む手をそっと握る 靡く裾に憧れて、ただ歌を荒む 切間ない薄鈍色に絆され ただ生彩のない岐路に、 響く踵の音と浮かぶあの声 淡い息さえ白く白く靄いで掻き 消えた あの子の記憶のように 綴る別れも、変わらぬ「なぜ?」も 全部全部轍を踏むばかり 悄々と降る綿雪さえも、 見えない影も 全部全部鏡の私なんだ ひたすらに微かな跡を探した まだら模様、白花色の道、 褪せるわがまま 「会いたい」と独りごちる 返す音もなく空で 過る姿も霞んで、ただ目を閉じた どれだけ経っても会えない声がふと 耳元で咲く 今更そんな事を考えるくらいどうせ バチは当たらないよな また時が経ち、 冬草がかれるようなことでも ただ、大団円があれば良い もう一度「またね」と言わせてよ
