波がさらった砂の城と 風がさらった君の心と 幾つもの言葉を君はくれたけど 何も答えもせずに 省みる気持ちが打ち寄せる度に消える君の足跡 空を渡る風になりたい 水面を滑る音になりたい 光あふれる色になりたい 無いものねだる僕の声は 何も出来ずから回る 僕は一人で波に浮かんで 揺れている 薄紫に空が染まる 光が少し懐かしくなる 海風が吹き止む夕凪の頃に 僕は船をだすだろう 省みる気持ちが遅すぎたけれど 君に逢いに走ろう 心にたてる虹が欲しい 時を渡れる翼が欲しい 君に語れる言葉が欲しい 僕は小さな波になって 君を全部抱きしめる そして大きなゆらぎにゆられ 目を閉じる