レントゲンには写らない ところに心があるらしいけど バンドエイドを飲み込んで くだしたお腹を 治そうとしてたみたい 花は土の中で考えて 開くころ言葉になっている 鳥は走れる生物を 羨ましがって飛んでいる 私は異邦人 ペンや剣では敵わない ところに向かう途中で気づいた まっしろな紙もまっくろな星も 冷めないお湯も醒めない夜も どこに行っても見つからない 風はどんなに吹いたとて 話せないことを分かっている 月が放った光は 今ごろ歌へと変わっている 私は異邦人 空に憧れても翼ひとつ生えないまま 背丈ばかりが伸びてゆくのは あなたのその足が 土との別れを拒んだから 誰かが勝手に名付けた ものに囲まれて暮らしている あなたがさっき口にした 言葉の行方を探している みんな異邦人だった