今でも僕はあなたを追い越せない 窓越しに消える花火を眺めている 今でも僕はあの日を追い越せない ファインダーじゃ世界 写しきれなくて不正解 行方知れず 四季を遺して 色も無くなるくらいに 遣瀬無い まだ青いままの ふたり逃げ込んだ 遠い夢の中 陽炎が笑う ことば それ以上 わかりあえていた 「ねぇ、本当に忘れられないわ」 今でも僕はあなたを追い越せない 微睡に揺れる横顔まだ見ている 今でも僕はあの日を追い越せない ぬるいサイダーみたいだ 味気なくなった未来は 意味を待つ 泡を失くして 音もしなくなる世界に 遣瀬無い まだ青いままの ふたり逃げ込んだ 脆い夢をまた 夏風が攫う ことば それ以上 わかりあえていた 「ねぇ、 こんなにも思い出せないわ」 まだ青いまま 遠くなっていく 日々の頬 夏 空蝉時雨