戻れない過去の 取り消せぬ選択に 執着し続けていた それでも過ぎゆく”今” 執着が故に見失う 自己のまま生きる実感は 何かへと凭れるうちに 希薄されてしまう 波際の砂城の如く崩れ去っていった 己たらしめる在り方を ただ拱手傍観していた 苛まれた状況を覆すのは 自我の領域と 隠された内なる心 重ね合い ようやく見える Precious things 無意識を気にも留めず 意識で諭す程に その歪みは次第に 奪いさる 信念さえも 変えられぬ現状 瞋恚へ身を任せ 顔色を伺い 荒んでいく誇り 崩壊する均衡 齎す虚無の感情 外郭となり取り囲み 思考を蝕む 自らを掌握していた 価値観や思い込み 他者からの評価に 対した 己でなく 重なった心が 何を求めていて 何を感じるのか その問いに気づいて初めて この存在の証明は 確立される 自らがそうであるように 各々が在り方を持ち 色形千差万別で 凹凸が個性となった その差異を受け入れる 他者と自分との間に 一線を引いて識別する目線 それが証明した存在を 洗練する