次の駅までは もう少し時間があるが 手持ち無沙汰の僕は 本を開いて眺めてみた けれど 目の上で滑って 読めやしなかった 何が満たしてくれるのか 空白を埋めるため 音を聴いた がらんどうの沈黙が なによりもうるさく 責められているようで怖かった さまざまな切符のおかげで この生活は快適だ 快適な居場所で育った そう 快適な少年だった おそらくは 平静な顔で無関心 決め込むだけのチケットの束 残りは あとどれくらいか いつまでこの電車に 乗れるのだろうか もう last train, Tokyo metro 終点まで降りていく一路 揺られ続けている かよわい people 次はない last train, Tokyo metro 行き先は一体どこなのだろう 答えに彷徨っている 哀れなるものたちよ
