ねむる瞳がみた わずかな夜明 みな海底で いまだ知らない若く白い花の園 夢みていた くびきを逃れた身体は逸る ここだと叫ぶために めざめた私が踊るとき 花いきれ満ちて草木芽ぐむ朝のなか 晴れた日の雨によく似た 産声という歌を祈りのように 切なる声で歌った あの日とらえた ただ一つの熱源 まだ握っていて いまもたえず四肢に宿る 舞台で汗ばむ身体が跳ねる 完璧ないかづちみたいに いのちの季節はまばゆき一瞬 それゆえあなたは美しい 見て 揺れながら立つ小さなクローバー 鋭い風に怯まず 生きて さあ しろつめの野原を歩みゆこう さあ 新しいいのちへ会いに めざめたあなたが踊るとき 巡航する星の速度で きっと出会いたい 晴れた日の雨によく似た 産声という歌を祝祭のような はじめの今日に捧げる