凍えた足で寒さを奏でる あなたに会えるなら炬燵を 抜けてもいい 蝶が寂しそうに姿をくらます あなたは今頃 何を話しているんだろう えっと うん まあ そうだ例えば 雪が降る空に「綺麗」とか ツンと鼻刺す 温度に触れた 途端不意に出る きっとあなたが言った 「寒いな」って言葉 この冬は先陣を切るだろう あなたが吐いた言葉を 順に全部辿ったって 僕の名前は無いと思う あっても最後だろう そっと吐いた息が孤独を伝える 白さで濁すから余計に見えるだろう えっと うん まあ そうだ例えば 理屈なしであなたに触れて ぎゅっと抱きしめ なんて嘘だよ 忘れないでいて きっとあなたからは僕が 透明に映って 光を当てても通り過ぎる あなたが吐いた言葉 使用履歴の中 探しても見つからないのが 何よりの証拠だろう 拭えない寂しさを誰かで 埋めたいとか 傲慢だってこと分かってる だから僕はただ あなたの目に映っていたいだけ きっとあなたを見て咄嗟に放った 言葉 何より「綺麗」がまず先だろう きっとあなたにちゃんとあげられる ものは そばにいても「孤独」だけだろう でもきっとその「孤独」 はあなたのどんな「孤独」も 包んで暖めて雪解ける というのもとっておきの想いが 詰まったもので 誰かが与えるものとは 異なる「孤独」だから