見上げれば流れ行く無人機が 儚げな光で闇を裂く 駐車場の脇の砂利道に 足を踏みいれようとしてやめる 街はどこか曇った硝子のよう 二人はグラスの底の シロップのふりで遊ぶ 終わりのない問いに ふとひとり 思いを馳せる 冷静になるくらいなら そう言って言葉に詰まる 終電をとうに終えた駅の 音ともつかぬ音を聴く ただ黙って聴く 真に僕らを癒すものはなにか 考えながら 意味のない言葉だけで 僕と話そうよ 夜の街 昼間の熱が 冷めたあと 空っぽになって 地平線の向こうで朝を焼く太陽 気付くはずもない二人 始発はどこに行くのかと君が言う グラスの中の街 閉じ込められて 二人は幸せになれそうな 気がしている