姉が孕んだ 種は恐らく父のもので 母の消えた日に堕胎した 夜明けの晩 鶴と亀が滑った 後ろの正面だあれ 朦朧 錯落 回環 揺曳 狂悖 溷濁 <♪> 四肢に施す枷と目隠し 畳の目数えては 「垂れ流す蜜は是こそ、愚の骨頂」 玩弄の籠 いつ出やる 薫る菊は蕾の花を開く 孕み喰らい また孕む 臥した肌を這う指先は溶け爛れた ゆらぁ ゆらり ゆぅらら 糜爛の百合 が 白を剥き自慰に塗れ 糜爛の人 は 赤を剥き捻れて縊死 <♪> 爛れた月 四肢に施す枷と目隠し 天井の染み数え 「熟れ腐る舌鼓はまるで柘榴の歯触 り」 玩弄の籠 いつ出やる 薫る菊は蕾の花を開く 孕み喰らい また孕む 歪な影絵に歪む聲は飲み込まれ 浮き沈み澱み揺らめいた