花椿通りは 月の香り 踊るコンクリ 不思議な景色 時計台の針が ぐるっと巻き戻って ほとんど魔法みたいな夜に 潜った もう会えないはずの あの子がいて そっと触れてみたけれど ほんの一瞬の幻は溶けて 僕はまたひとりになる あの子の欠片が残る街で 楽しそうなネオンと しかめっ面の僕の コントラストが最高だ ああ、笑いが止まんないほど アクビをしている 都会のライオン 7 丁目の 正しい景色 息が詰まるような つま先立つような 作り物みたいな夜に沈んで よそよそしい風が吹いた 僕だけが振り返る 帰り道を急ぐこともない もう少し 夢の中で あの子の温度が残る街で カラフルなショーウィンドウと モノクロの僕のコントラストが 絶妙だ ああ、涙が止まんないほど 目の前が滲んでいる 情けなくて参っちゃうなあ 思い出をかき分けながら やるせない今を生きてゆく あの子が大好きだった この街で いつかのふたりを 追い越してしまった 心配はいらないよ 僕は大丈夫 何ひとつ忘れずに 全部持っていくから 終電に飛び乗って ああ、時間旅行にサヨナラ