もうやだよ 目は口ほどに物を言うとか言うけれど あぁもう駄目だ 10個もあったらうるさくてしょうがないね もうやだよ 目は口ほどに物を言うとは言ってもさ あぁもう駄目だ 口だって20個あるから困るね 「どんな姿をしていても」 なんてどの口が言ってるんだろう 空っぽの目には映ることのない 目を覆いたくなるようなけだもの どんなに目を凝らしても人間には程遠い姿の 鏡に映るこの何かを見て目を覆いたくなるだけだもの なんてね もうやだよ 喉から手が出るほど欲しかっただけなのに 「ほど」では済まずに本当に喉から出てきた手を それでも優しく握り返してくれた手 「どんな姿をしていても」 なんてその口が言ったんだね 握り潰した手の感触さえ優しく手のひらに残った そんなに目を凝らしたら人間には程遠い姿の 瞳に映るこの何かを見て目を覆いたくなるだけだもの 死んでね