季節のめぐる音に 耳を澄ませて佇めば 仄かに聞こえてくる 過ぎし日に聞いた声 瞼を閉じるたびに 浮かぶ懐かしき面影 心にたゆたうがまま この胸を締め付ける 萌ゆる桜が ゆらゆら 風に吹かれて ひらひら 「さようなら」 陽炎のようにゆらめく光 どれだけ手を伸ばし叫んでも その笑顔にはもう届かない 時間を失った思いよ 淡雪のように儚く積もる 浮世の調べが響き渡る 次の世界で待っているから いつかまた逢えますように 残雪を押し上げて伸びる 春を待つ新芽は 小さく力強く 命燃やして立ち上がる 朧月夜に満ちゆく光 微かな風に花びらは舞う どれだけ時が流れようとも あなたを決して忘れはしない 淡雪が今儚く解けて 新しい季節が目を覚ます 幸せの灯を絶やさぬように いつも笑っていて欲しい いつも笑っていて欲しい 萌ゆる桜が ゆらゆら 風に吹かれて ひらひら 「ありがとう」