ぼくがぞうになったとしたら きみと友だちになれるだろうか 鼻のすべり台逆のぼりして 背中に乗ってどこまでも 行けるのにな ぼくがぞうになったとしたら きみは名前を呼んでくれるかな 大きな耳をパタパタ揺らせば どこにいてもきみの 声がわかるのにな 画用紙にはビリジアン 窓の外は金平糖 目を閉じたら別の場所 おやすみ ぼくのことを知りもしないきみを 知ってるよ 五十音の中にはない名前を 呼んでいる ぼくがぞうになったとしたら きみがよろこぶ場所まで歩こう 国道沿いをのしのし進めば 夜明けまでにきっと海が 見えるはずさ ぼくがぞうになったとしたら きみの思い出に残るだろうか しわくちゃなおばあちゃんになって も きみのことをずっとここで 見てるからね メルボルンの九官鳥 忘れ物の吹き溜まり 目を開けたら元の場所 おはよう ぼくのことを知りもしないきみを 知ってるよ 0から 10の中にはない数をかぞえている ぼくのけむりはぞうになって空へ 消えてゆく 世界中のどこにもない 約束をやぶるよ