鮮やかだったあの太陽が 剥がれ落ちて過去を閉ざして 世界が止んだほんの数秒に 絡んだ線を繋ぎ直して 雨曝しの水芭蕉が 伝えていたのは一つの証明 憂うだろうが歪むだろうが その花は確かに此処に在った 吹き荒ぶ風の上に茜色の空 夜が狂い出す前に手を伸ばした 今光の中鮮やかに舞う海 遥か遠い丘であの鐘が響く 追い掛けた夏の暮れゆく旅路を 未だ果てぬ声ほとばしる方へ 鮮やかだった遠い幻を 追い掛けていた小さな声 ほんの僅かそんな声が 世界を救う事もあるだろう 絶え間なく流る風迫る夜に走る声 抱えた一つを手に未来を描いた 今光の中溢れ出す意志の その一滴が花咲かすのだろう 追い掛けた夏の暮れゆく旅路を 未だ果てぬ声遠ざかる 吹き荒ぶ風受け今意志を掲ぐ 遥か遠い丘で今鐘は響く 何度でも息を深く吸い込むのだろう