絞った(しぼった)ばかりの 夕陽(ゆうひ)の 赤が 水平線から 洩(も)れている 苫小牧(とまこまい)発 仙台行きフェリー あの爺(じい)さんと きたら わざわざ 見送ってくれたよ おまけにテープを 拾ってね 女の子みたいにさ 土産(みやげ)に 貰った 賽子(サイコロ)2つ 手の中で 振れば また 振り出しに戻る 旅に 陽が 沈んでゆく 女や酒より 賽子好きで すってんてんの あの爺さん あんたこそが 正直者さ この国と きたら 賭けるものなど 無いさ だからこうして 漂う(ただよう)だけ 土産に貰った 賽子2つ 手の中で 振れば また 振り出しに戻る 旅に 陽が 沈んでゆく 賽子 転(ころ)がし あり金(がね) 無くし フーテン暮しの あの爺さん 何処(どこ)かで 会おう 生きていてくれ ろくでなしの 男達 身を持ち 崩しちまった 男の話を 聞かせてよ 賽子 転がして 土産に貰った 賽子2つ 手の中で 振れば また 振り出しに戻る 旅に 陽が 沈んでゆく