「海が見たい」と子供みたいに はしゃいでいた 僕もつられて笑う 馬鹿らしくて愛しいやりとりの中 日焼け止めを丁寧に塗る君 それを眺めていたらなぜだか 幸せってここにある気がしたんだ 車の中で歌って 古びた高架線が ずっと真っすぐ続いていく 助手席側 月が照らす 海を黙って見ていた 甘く溶ける 二人の時間 愛してるの言葉で満たして 揺れる髪にそっと触れてたいんだ いつもと同じように どんなに喧嘩をしても 僕は君が好きだった 一生の幸せへと 疑いもせず僕らは泳いでいた あの日から一年以上経って 結局離ればなれになって ゆっくりと次の恋を探している 車でひとり歌った 僕らのすれ違いは きっとこの曲によく似ていた 思い出すのは夏の記憶 撫でた髪の感触を 終わる夏よ 二人をさらって あの温度を覚えていたくて 立ち止まって 振り返る僕に 君は呆れるかな 海の底に沈まないように 懐かしさに溺れないように 砂浜から拾い上げるのは 綺麗なものだけでいい どんなに好きだったとしても 仕方ないことがあって 一緒に居られないけど 幸せへと僕らは泳ぎ出す