淡々と嘆き、飛ばぬ蝶。 不幸の理由を探り、灰と散り行く。 叶えて尚も、夢は彼方。 幸か不幸かの岐路に佇み。 祇園精舎の鐘の音に反き、憂い。 空は誰が為に在ると思うか? 色は誰が為に在ると思うか? 御魂は何故にここに座すのか。 幾度腐りてもまた咲くは「人」。 叶えて尚も、夢は彼方。 交わした言の葉の訳も知らず。 祇園精舎の鐘の音のままに、行く。 「燦々と咲き乱る桜 葉桜となり散る頃に 惜しくなりたるなり心よ 鼻緒が切れるよりも悪しく」 叶えて尚も、夢は彼方。 幸か不幸かの岐路に来たらば 祇園精舎の鐘の音のままに、生く。