ちゃんと生きていくって うんと大変なことで 私だけが私のことを 大事にしてあげられませんでした 振り返る昔ができると 甘くて優しい思い出も その分還れない寂しさも 同じだけちゃんと 積もっていましたね 人が本当に前を向く瞬間は もう元に戻れないと 心から観念した時で その時後ろ向きのまま オールをギュッと持ち替えて 沖へ漕ぎ出していくのです ああ 黒よりも暗く 冷たい海の真ん中は どこが前かも分からなくて 目を閉じてても開けてても 景色は 何にも変わらず 途方に暮れて揺蕩うだけでした 気がつけば周りは明るく 温かい砂浜に2人 あなたはいつだって少しだけ 離れた場所で笑っていましたね 手を伸ばせば 欲しかったものが いつしか 近付いて来てる ほんとか嘘か分からぬまま 確かな気持ちが芽生えて 手と手が触れたその時に 深く気づいてしまったこと ああ 何者にもなれない私を 一周に一回 見つけて照らしてくれてありがとう ああ 細く白く強い 光を放っていたのは 私ではなくあなたの方でした