澱んだ路地裏 石蹴飛ばせば ぎらっと黒猫 振り向く目と目 橙の夕暮れ 黙って引きずる 重い足元に 嫌に伸びた影 風つかまえて 夕空ひゅるりと物知り顔した カラスが見下ろす人のざま のんべんだらりらっと だらりらっと 生きたあたしに 悲しい報せ告げるように いま天から使い 舞い降りた 真っ黒いからだ同士 通じ合って 秘密のいけない 打ち合わせをするように 夕闇に響く カアとカアとニャアとカアと ニャアゴ <♪> 不穏な路地裏 迷ってドン突き 行くも戻れぬ 地獄一丁目 子らの落書き 路傍のタンポポ 悪戯に吹く 白綿の羽根 風ながされて 夕空ふらふら何食わぬ顔で 見知らぬ街まで飛んでけ ほれ まんべんなく笑って なんとなく 生きたあたしを 憐れんで嘲笑うように 黒猫とカラスがニヤニヤ 真っ黒い目で睨んで さよならって 最後に言い残す 言葉をせがむように 不気味に響く カアとカアとニャアとカアと ニャアゴ <♪> 黒猫見あげた人のざま 何遍でも迷って 行き止まって 生きるあたしを 呆れながら諭すように 黒猫とカラスがニヤニヤ 真っ黒い目で睨んで 馬鹿だねって 最後にやり残したことは何だね? って 問い質してる カアとカアとニャアとカアと ニャアゴ