海を眺める少女がいた 消えそうな灯にしたたるしずく 空へ還そうと 小さな手 差し出す 何をこころに決めたのか 誰よりも私が知っている 泣いてもひとりなら 強くなろうと 時は 巡り 再来の風に吹かれて その願いは遠く 誰かの明日を照らすだろう そんなに傷ついて 上手には笑えなくて 今は少しだけ 目を閉じて 嵐が過ぎるまで 抱えてしまった空洞を 埋めようと選んだ言葉は 虚しく響き 過去へと 流れ着く 耳をふさぎ生きているなら それは色のない 世界と同じだから 私はあなたを許したい 時は 巡り 再来の風に吹かれて その思いは遠く 誰かの涙 ぬぐうだろう いのちの恵みが 広漠な大地にあふれ 絶え間ない悲しみなど どこにも ありはしない 雷雨に舞う花びら 居場所を探して さけんでいるんだ 声が かれるほどに ぬかるみに足をとられ 最後のひとりになったとしても でも どうして 信じてしまう 時は 巡り 再来の風に吹かれて その願いは遠く 誰かの明日を照らすだろう 泣いていた 笑っていた すべてを慈しんで 降りそそぐ光の中 この道を歩いていこう 嵐が 去っていく