雪降る街を離れ 荷物を抱え東京に 出てきたのは もう六年前 グロテスクな人並み 飲まれそうになる度に 胸の奥でこう唱えた 「キミタチトハチガウ マザッテタマルカ」 勘違いも甚だしいが あれから僕は今の今まで 青春とかいうはしかにかかったまま 確信めいたものは当分この青さが 続くだろうってことぐらいさ 未だに一人で タイが結べない 要領の悪い二十四 未だに僕は 年甲斐もなく 青春とかいう戯れごとつづけたまま まともって何のことだい? 十代の無駄な荒野 大人になれずに 馬鹿げた理想ばかりで ひどく青い なぜだか僕は 手を切れなくて 青春とかいう不潔をぬぐえぬまま 人並みの中逆らって歩く 六年前と何にも変わっちゃいない 僕は僕を裏切れずに