故郷の街を消した あの紅い原爆(ひ)は 世界の絆も 引き裂いたのね 地球(ここ)から消えてゆく 幸せの声 その笑顔 あの日 ふるさとは 黒い雨に泣いていた だけど その姿に涙を流す人はいない 青空に閃光(ひかる) 紅い原爆(ひ)は 人の涙も 涸らしたの 私は忘れない あの日の 青い空 あの日 ふるさとは 紅く 紅く 燃えていた 私は ただ一人 熱い 熱い 街を歩く 母さんと見上げていた あの青い空は たのしい未来を 映してくれたのに 私の目に映る 人影の石 暗い空 青い空を見ながら 「今日は何して遊ぼうかって」 言ってくれたおかあさんが 大好きだったのに もう 逢えないのかなぁ 私がお星さまになったら きっと逢えるんだよね 母さんが握りしめた その手振りほどき 熱い爆風(かぜ)が 二人を引き離したの すべては消えたけど その温もりを覚えてる あの日 ふるさとは 私のことは知らない その日は終わったけど あの日の私は今はいない 母さんに逢いたいけど この傷があるから 逢えばきっと涙を流すから 私は一人ぽっち 暗い部屋で目を閉じる 故郷の街を消した あの紅い原爆(ひ)は 世界(ひと)の絆も 引き裂いたのね 地球(ここ)から消えてゆく 幸せの声 その笑顔 私は忘れない あの日の 青い空 私は 夢を見た 八月の青い空の下 戦争の無い 故郷があったことを