何気ない 日常の描写を 鏡越し そっと触ってみる 踏切の上 踊っていた青さが パチパチ消えてゆく 炭酸は飲み干せず 時間だけ流れる 「忘れないで」 君の薄い筆圧 簡単に滲んでゆく 虚無が僕を襲う 「…君が言うなよ」 最低で明白で戸惑って ほら手のひらの上 単純な僕だって疑って でも君には勝てないね 波の音の強弱すら覚えてるのは ドクドク流れている血を肌で感じる 時間だけ流れる 「忘れないよ」 僕の汚い嗚咽 炭酸でむせていく 君の背中が遠のく 「幸せになれよ」 僕の愛す港も 心地いい電車の音も 君のアイスは溶けた 手元には滲んだコースター