湿度が落ちてく 深い夜が明けてく 網膜が剥がれる 誰かが泣いている 救いの無い罪を 洗い流す雨に かき消された声 震えていた腕 夜が明ける 美しいまま消えて欲しかった 朽ちてく様見たくなかった あなたにはもう 怒りさえも 抱かないの 静寂が失せてく 感覚が薄れてく さよならが遠ざかる 誰かが笑ってる 眠れない夜に ささやかなララバイを 拭えない過去に 我儘な嘘を 許すよ 許せなくても君は 私を置いて消えるくせに 終わらない夜に 声のないララバイを 誰かが泣いていた あの声は私の悲鳴だ 揺るがない現実に さよならしただけ 口約束のまま忘れてしまうこと あなたの名前も思い出せないこと 私の終わりを告げる鐘、響いて 帰れなくなってしまう 潮に溶けてく骨、返して 誰もいないひとりきり 夜