こぼれてなどない こわくなんかじゃない ぬけ底一輪挿し とばされていきそうな やぶれてゆきそうな 薄いビニール傘 たいしたことない いたいなんてない 筵を縫ろって ふみたてられない つまさきいでたち クレーターは斜行製 ひとつひとつ瞬間の脆さも 何度何度でも繊細よ永久へ 在るようでない成れの果てよ 迂回続ける裸足の地上絵 ないようで在る旗をたてて ゼロの重力を知る いじかもしれない エゴかもしれない 小指だけのルージュ 背伸びをしてでも守りたかったんだ 白昼のうさぎを 残酷におきざった いくつまでも迎えに行こう 在るようでない成れの夢で ひとつとない灯があくるから ないようで在るものがたりなら 夢でいつづけたい 在り続けるは何のためか ただここで在りたいそれだけ 在るようでないなれのモノたち 裸足の君をみつけられたなら ないようで在るモノとなって まあるい月で讃え遭おう