二十代の終わりは妙に静かだった 今までの思い出が輝いてみえた 振り返ってしまうと寂しくなるから 僕はもう先にいくよ 鍔が曲がったニューエラ 食べ散らかしたスナック菓子 夜のセブンイレブン 学生気分のアイフル 使い終わったクラッカー テキーラが残った身体 空になった瓶に挿した一輪の花 今が楽しければ 今は楽しければ どちらも愛していた 綺麗だった花火が いま散ってしまうようです 落ちてく花びらの中に 今夜僕を埋めよう 散らかった車の中で昼が来るまで 薄い毛布に包まっていた 先のみえない未来も 怖くはなかったんだ いつか必ず沈む船で まだあの地図を描き続けてる 僕らは笑っていた 二十代の始まりあまりに幼かった 傷付けたことにも 気が付かないくらい もし振り返ったら許せなくなるから 僕はもう先にいくよ 青かった夜明けが 朝になってしまうようです 若かった過ちの中に 今夜僕を埋めよう 逆らったとしたって 時は流れてくだろう 若かったといつか話すだろう 今の僕のことも さよなら 僕の二十代へ