菊の花よりも 昏き淵より匂い立つ その花の名前を 知りもせずにときめいてた あなたの名前を 初めて知った時に その花の香りを 思い出して息を止めた 出会った時から とても懐かしくて ふと薄紫色の 風が吹き抜けた 遠い昔から 探し続けていた人は 秋の花のように 気づかないうちに 掌で咲いていた 時は過ぎてゆく 冬を春を夏を越えて 秋の日の名前を 思い出せない時は来る しあわせ悲しみ 比べずに生きられたら 美しいあなたの 面影は色褪せない 出会った時から とても懐かしくて いつも花の香りの 風が吹いていた 別れ行く時に きっとあなたを呼ぶだろう その愛の名前 胸の奥できっと呟くだろう 遠い昔から 探し続けていた人は 秋の花のように 気づかないうちに 掌で咲いていた