ああ ブレーキの音がかすかに響いてる 夜明け前 魔法が 解けたあとの街でどこに行こうかな 滑り込む 車両にぼくはきみとふたりで 形を変えてく幸せを祈りながら 下りのホームに流れる列車の緩い風 問いかける 側のベンチに深く腰掛け見上げてる 路線図の星 孤独な日の亡霊や忘れかけた憧れに 振り解いては取り憑かれてた 悪くない夢だったと今更思い回して 甘い憂鬱が顔を上げる 約束を果たしたらどこに行こうかな まわりだす車窓でぼくは世界を捲る 口ずさむなら 昨日の歌ときみの言葉を 上りのホームを通過する列車が切り 裂いた静けさと 扉が開いたらあふれ出す 人の波に乗るアナウンス 各停がもどかしくて闇雲に乗り 換えたり 近道ばかり探し続けた 与えられたチケットが片道なのは 知ってる だからぼくはきみと行こう 眠たげな 車輪の音がかすかに響いてる夜明け 前 魔法が 解けたこの街でどこに行こうかな 走り出す 車両にぼくはきみとふたりで 形を変えてく幸せを祈りながら 色褪せずレールは続いてく これからもどこまでも