〈♪〉 その昔 恋をしていた 二年暮らして 女(そいつ)を捨てた 冷凍みかんと 甘栗を 無理矢理その手に 握らせて 故郷(いなか)へ帰す 詫びにした 俺のズルさを とがめるように 発車のベルが 発車のベルが 鳴り響いてた 〈♪〉 その昔 妻と別れた 子供は残して行けよと 言った 二人の子供を 両脇に 川の字になって 眠る夜 初めて俺は 気がついた 俺の勝手と わがままだけが この子の母を この子の母を うばい取ったと 〈♪〉 その昔 夢を見ていた たった一度の 人生なんだ 追いつけ追い越せ 負けるなと 団塊世代の 明け暮れに 勝つことばっかり 夢にした いくさ終わって 夕陽が落ちりゃ 見かわす友の 見かわす友の 笑顔がつらい ・ 見交わす友の 見交わす友の 笑顔が 沁みる 〈♪〉