物欲嬢

歌詞

「いらっしゃいませ、御客人。 ご来店誠にありがとうございま す。」 「私達はお客様の夢を買って、 それを 叶えるお手伝いをしているの!」 「客の夢を買うなんて変わった 店ですねって? ふふふ、...... 一度訪れたら 忘れられない夢のような店、 の間違いでは?」 「まあまあ、ゆっくりしてってよ〜 きっと気に入ってくれるしー、 きっといつもの客みたく、 あんたもずぶずぶと 溺れてっちゃうから」 「さあ、」 『ようこそ、夢買イ屋へ』 子どもの頃に欲しかったものは 全てお金で買える宝石だったの それがいつのまにか簡単には 手に入らないものばかりを 欲しがって おねだりしても 駄々をこねても 何しても 「はい、 どうぞ」って言ってくれない 土下座しても 拘束しても 尋問しても「ない」の一点張り 物欲がないんじゃないの 私の欲しいものはお金で 買えないだけ 物欲がないんじゃないの ならば、 私の欲しいものは奪うしかないね いつも私は森の奥深くにある 人形屋敷を訪れた 屋敷の主人はこう言ったわ 「どうぞ好きな子を連れて 帰ってね」と 「お代はいらないの?」 そう尋ねると 「お代はとっくにいただいている よ」と 「ふーん、そっか」 私はそう呟いて 両手いっぱいに人形を抱きかかえて 家に連れて帰ったの テーブルを囲む人形たち 銀の燭台が妖しく光れば そこはさながらミサのよう いまからいただくのはわれわれのい のち 物欲がないんじゃないの 私の欲しいものは形がないだけ 物欲がないんじゃないの 私の欲しいものはこの世界では 触れない 物欲がないんじゃないの 私の欲しいものはお金で 買えないだけ 物欲がないんじゃないの ならば、 私の欲しいものは奪うしかないね だから、バイバイ さよなら告げるの 人形の山に埋もれて だから、バイバイ さよなら告げるの 夥しい数の屍の上で バイバイ