背伸びをして 太陽を見つめていた 溢れる光を取りこぼさないように ふたりの紡ぐ言葉が好きで 笑いあった季節はもう 過ぎ去ってった 雲の切れ間に西日が赤く 部屋の隅で僕はひとり 雲の跡と夜の帳 遠いあこがれに囚われ 空は白み始める あの場所へ 行かなくちゃ 行き方はもうないけれど 振り返ることももうできない ありふれた 小さな形の 瞼の奥 貼り付けた風景が 今も僕を締めつける もう遅すぎて 見えなくなってしまう前に 「少し背が伸びたみたいね、 今ならあの木の枝にも 手が届きそう。 枝葉をひとつ手折ってきてね。 そしたらまた会えるでしょう。」