AWA

ポートレイトの先に

138
0
  • 2024.03.06
  • 4:24
AWAで聴く

歌詞

俺がGOD座にいたころ、 MANKAIカンパニーに入る 前の話……。 思い出すのは、 自分をすり抜けていく視線 板の上で透明人間に なってしまったような、そんな感覚 憧れていたGOD座の舞台 いつも舞台の端っこに 立ってるだけの毎日だった その日は千秋楽で、 俺は終演後のGOD座の劇場で 片づけを手伝ってた。 まぶたを閉じると浮かぶのは、 満員御礼の客席から 鳴りやまないカーテンコール。 舞台の最前列中央で 何度もお辞儀するトップスターの 丞サンの姿は、 全身から自信があふれて 輝いていた。 いつかあんな風に舞台の真ん中で 輝ける日が来るのかな そんな日が来たら、 みんなが拍手を送ってくれるのかな 初恋のあの子も、見直したって ほめてくれるのかな 俺はいつの間にか 舞台の真ん中に…… 0番に立っていた。 いつか自分もこの場所に立ちたい! そんな思いで丞サンと 同じセリフを口に出した。 でも次の瞬間…… あの人の笑い声が聞こえてきた。 ここまで華がない役者が GOD劇場の0番に立ったのは 史上初かもな。 す、すみません、 レニさん! 俺……! お前が0番に立つ 資格があるとでも……? なんておこがましい。 「どこまでも華がない お前が舞台の上に立ってても、 誰も見向きもしない 隅っこがお似合いの役者…… 価値のない十把一絡げの役者…… 舞台の中央に立つ資格なんて あるわけがない」 今でも思い出す……あの時の言葉 あの時の……悪魔のささやき…… お前が役を掴み取る方法は 一つだけだ。 ……七尾太一、私の手駒として 役に立て。 そうして俺は、この劇団に スパイとして入団して…… 許されないことをした。 それでも、ここが俺の居場所だって 認めてもらえて、 みんなと一緒にいたくて、 恩返ししたくて がんばってきた……。 だけど……。 みんなと秋組の公演を重ねた 0番に立つみんながまぶしかった あの時GOD座で 丞サンを見た時と同じように……。 きっときっと自分は あんな風に輝けない 秋組のみんなに 敵うことなんて一つもない みんなを差し置いて 0番に立つ資格もない だって俺は隅っこがお似合いの さえない……役者だから……

このページをシェア
七尾太一、神木坂レニ(MANKAI STAGE)
の他の曲も聴いてみよう
AWAで他の曲を聴く
はじめての方限定
1か月無料トライアル実施中!
登録なしですぐに聴ける
アプリでもっと快適に音楽を楽しもう
ダウンロード
フル再生
時間制限なし