どれくらいの息をすれば きみの日々に届くだろう ここからははるか遠く あの海辺の町は あの花も咲いては枯れて 今はもう誰もが忘れた 名前さえもう 思い出せはしないけれど 胸を離れない あの時の香りだけは ぼくたちの選んだ日々が なにもかも間違っていたこと いつになったら 笑い飛ばせるのだろう 冷たい朝の駅で 退屈と待ち合わせて ああ このまま夜が来る前に モノクロの町へ戻れたら ああ ほどなく 色づいた季節があの通りを染める 前に 思い返したとしても たいしたことはない、と 繰り返してしまっても 今はもう生きていける、と 言い聞かせてるみたいだ 本当は知っているのに 傷ついて壊れても 今まだここにいる どれくらいの息をすれば きみの日々に届くだろう ここからはずっと遠く これからもきっと遠く どれくらいの息をすれば きみの日々に届いたのか あのころの匂い淡く いつからか風にとけた どれくらいの息をして きみは生きていたのだろう あのとき ぼくがいなかった あの海辺の町で